− 2003・衆議院議員選挙報道徹底比較−


今回も民放こぞっての選挙戦線が繰り広げられました。

まず気になる視聴率ですが、協会がTOPなのは報道要素から仕方ないとして、
9時代に「バレー中継」や「日本のおかあさん」を放送していたフジとテレ東が高めで、
他系列は苦戦。10時代に入ってからもその流れが続いた模様です。

やはり横一線に強い「テレビ東京」。何か物事が起こると右向け右ですべての放送局が
右を向いてしまう現在の報道の中で、テレビ東京に視聴者が集まるということは、
「右向け右で放送することの不必要性」が現れる場でもあり、非常によいことであります。

ただ「原爆の日」や「震災の日」などのように、全国的な中継がすべてなくなってしまうのも
考え物ですが、「開票速報は、別にやらなければならないモノ」って訳でもなく
モノの見方を変えると、やってもやらなくても票数は変わらないのでもあります。
むしろ開票速報よりも、選挙前日特番とかをやった方がいい気さえします。
モノの見方を変えさせてくれるテレビ東京をこれからも応援していきます。

10時以降「テレビ東京」は経済路線ではなく、今回は普通路線で勝負してました。
激戦区の選挙戦を放送、「フジ」はバライティー色濃くし、トリビアネタなどを
交えて放送していました。そんな流れで従来に比べこの2局は健闘した模様です。

さて従来の選挙速報ですと、ANNがかなり強かったんですが、今回の選挙は
なんと「自民幹部がANNへの出演拒否」を決め込んでしまったんですね。
そんなわけで内容が全体的に「自民叩き」に終始したため、自民公明支持者が
チャンネルを廻さなかった為か、今回はかなり苦戦したみたいです。
でも自民支持者がほとんど見ない状況でも、10%に迫っていたので、
Nステをはじめとする日ごろのANNの報道の強さが見えていますね。

NNN・JNNはあまり生えが無かったのと、地元局がローカル枠ばかり
差し込んでいたので、あまり見ていませんが、JNNは深夜3時半まで
結果を詳細に伝えるという民放最長の選挙ライブでした。(NBCは途中離脱)
最後に北から南まで全国の結果を詳しく放送したのはJNNだけで、
全国の結果を見ることが出来、余韻に浸れました。TBSに感謝しています。

各系列議席予想
系列 自民 民主
TXN 224 193
JNN 230 188
NNN 221 205
FNN 233 180
ANN 220 193
結果 237 177
解散時 246 137
    各放送局の番組タイトルは、

FNN:踊る大選挙戦2003
ANN:選挙ステーション2003
NNN:激選”バンキシャ!スペシャル
JNN:票決!ライブ2003
TXN:ザ・決断!総選挙2003 でした。

出口調査による議席数予測ですが、
フジの予測が一番的中したみたいですね。
ちなみに協会は、明確な議席数予測を
発表していません。外すと困るんでしょうね。。。


ご存知のとおり、速報は「当選」ではなく「当選確実」ということで、
後半の追い上げで当選確実が取り消されてしまうこともあります。

下の票は各系列が画面下に表示している議席獲得数を、毎時00分±5分に
集計したものです。ただ特殊法人テレビと、表示頻度の少なかった「NNN」は
一部局のホームページのデータを使用している部分があります。


21時 自民 公明 保守 民主 共産 社民 無他 残り
TXN 101 6 1 49 0 0 2 321
NNN 97 9 2 51 1 0 2 318
JNN 114 11 2 56 3 2 2 290
FNN 88 6 1 41 0 0 0 344
ANN 128 19 2 79 4 1 - 243
特法 105 10 1 52 0 0 1 311
  
22時 自民 公明 保守 民主 共産 社民 無他 残り
TXN 122 8 2 65 1 1 3 278
NNN 122 10 1 75 1 0 5 266
JNN 137 12 2 74 3 2 3 247
FNN 120 11 2 69 0 1 2 275
ANN 143 20 2 98 5 2 - 204
特法 128 11 1 74 1 1 2 262


23時 自民 公明 保守 民主 共産 社民 無他 残り
TXN 144 11 3 94 1 1 6 220
NNN 152 13 2 93 1 1 8 210
JNN 156 16 3 93 3 2 8 199
FNN 143 14 2 90 1 1 6 223
ANN 175 24 3 127 5 2 - 136
特法 161 19 2 102 3 2 8 183
  
24時 自民 公明 保守 民主 共産 社民 無他 残り
TXN 203 18 3 133 1 1 13 108
NNN 206 22 3 139 3 2 13 91
JNN 215 25 3 148 3 2 13 71
FNN 191 20 3 124 5 1 12 124
ANN 215 29 3 160 8 3 - 49
特法 219 30 3 155 6 2 13 52




今回もやはり一番先行していたのは「ANN」で、
「NNN」は中立、特殊法人は後半に追い上げたという感じです。


注目していた山崎幹事長立候補の激戦区「福岡2区」の場合、系列の中で一番初めに
当確を打ったのはRKBだったようですが、勝てる要素が少なかった選挙区だからか、
出た直後の事務所の中継はあっけらかんとしていました。やはりいくつかの系列が当確を打つまで
勝利宣言はしないのか、特殊法人の当確まで待つってパターンなのかと思いました。

さて北部九州の選挙速報ですが、「RKB」「TNC」「sts」「KKT」「RKK」などは、
ローカルがキー局出よりも長かった気がします。「RKB」に至っては、ほとんどローカル。
福岡県内に激戦区が多いので、そっちが面白いのはわかりますが、少しはネットしてほしい。
半面で「FBS」「TKU」「NBC」「KTN」はキー局出しもそこそこネットしてました。

「TVQ」をはじめとするTXNは、ローカル時間帯と全国時間帯を明確に分けていたようです。
「KBC」「KAB」もどちらかというと、ローカル枠も全国もといった感じの放映形態でしたね。

在福民放は「FBS」と「KBC」だけが佐賀の選挙区についても報道していましたが、
「RKB」は福岡の選挙区のみに限定しての報道でしたね。少しでいいから佐賀のことも
やってくれてもいいのに、「詳しく放送する局」と「全く放送しない局」とに顕著に分かれました。
「TNC」は「sts」を意識してか、普段のニュースから佐賀のことは扱いません。

NTTの中継回線ですが、本州や列島横断ルートはそこそこ盛り上がっているんでしょうけど、
NTT福岡管轄の九州内の外回りループのほうは、ほとんど動きはありませんでした。ただ
回線確保の為か、普段は内回りで回っている「ANNのネット回線」が外回りに移ってきていました。


議席数 自民 公明 保守 民主 共産 社民 無他
選挙結果 237 34 4 177 9 6 13
解散時 246 31 9 137 20 18 14
増減 ▲9 3 ▲5 40 ▲11 ▲12 (欠5)




(ここから先は私情が入っておりますので、無党派層の方のみお読みください)


今回の選挙の総括としては、民主党の大幅な議席獲得と、創価票に助けられた自民って感じですね。
注目していた「東京3区」では、石原系列の親族・芸能人総出の選挙戦だったのにも関わらず、
草の根の議員さんが当選。「沖縄1区」では公明候補が立ったため、公認をもらえなかった
自民候補が無所属で立候補するも惜敗。ブランドやら前職の強い応援とか、前職の血縁候補で票を
集めている地区もまだ多いですが、そういう構図に亀裂が出始めた選挙になったみたいですね。



いちおう無党派層ですが、自民党以外の党を応援することにしています。
重要視すべき項目を出せばキリが無いですが、あまり知られていない
ことを一つあげておきますと、自民は著作物(出版及び映像)の「表現規制」を
しようとしているので、それに強く反発し自民の支持はしません。

閲覧年齢制限等の規制ではなく「表現そのものの禁止」というのがポイントで、
一部では漫画等からすべての殴るなどといった表現を排除しようとしているようで、
この規制が実現すると、「ワンピース」や「はじめの一歩」などの作品は
発刊できなくなるとも言われています。ボクシング漫画が青少年にどう影響するかは
しりませんが、北斗の拳等の時代に比べ、かなり表現規制がきつくなっている中で、
これ以上の表現規制は避けたいというのが、自民党に票を入れない理由です。

まあ個人的に18歳以下に興味は無いのでどうでもいいですが、「児ポ法」を
強化しようとしているのも自民党で、現状は該当する漫画・イラストを18歳未満のみが
閲覧禁止という処置ですが、閲覧に加え「所持」まで禁止になる可能性は大いにあります。
そういった細かいことも左右する選挙だからこそ、寝ているべきではないです。
是非投票所に行きましょう。



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