名福・アニメ放映形態比較

(2.音声の違い)


「名古屋」も「福岡」も東京から見れば、「ローカル局」なので、
あまり参考にはならないかもしれませんが、新たな発見があるかも知れませんね。

★音声を比較


テレビ愛知(名古屋)の音声 [名古屋製作の番組] テレQ(福岡)の音声


普段に何気なく見ているテレビの音声は、キー局(東京など)と全く一緒だと思ってはいませんか?
キー局同時ネットや素材線ネットなど、キー局から地方局へNTT中継回線を使用して、
送られてきた番組を放送している場合には、どうやら途中で音声が劣化してしまうようです。


名古屋の局製作の番組の場合、自局(名古屋)の放送ではオリジナルの素材を使って放送を行っていますが、
ネット局の場合は、名古屋の放送局からNTTの番組中継回線を伝わってきた素材で放送されています。


このNTTの中継回線を伝わってくる間に、音声の周波数のうち、高音部がCUTされてしまうようなんです。
で実際に地方局で流れているのは、高音部がCUTされた状態の音声で放送されているのです。

上の音声をよく聞き比べてみると、少し福岡TVQの音声の方が、高音部が強調されていないように思えます。
バックの楽器の音の聞こえ方が、愛知の方が強調されていますね。


上のように比べてみると、地方局は12000Hz付近から上がCutされているのが分かります。
極端な例が電話(通話)だと思います。電話の場合、人の声がもっとも集まる周波数しか使用せず、
その上下の周波数は使用しないので、かなりの周波数帯域がCUTされてしまいます。

ステレオで、この人間の声のメインとなる周波数(4kHz)の音を消すと、
ボーカルの入っている曲が、カラオケになるという話はよく聞きますね。
ボーカルを抜く機器のキットなどが市販されていますが、この原理を応用しています。

だから電話で高い音や低い音を出しても、通話相手には聞こえないはずです。
(たしかアナログ回線の場合、DSLなどの通信は、その使わない周波数帯で行っているハズです。)


このNTT中継回線の音声劣化問題は、「東京のテレビを見るページ」や「アニばん SE」などで
取り上げられていました。現状の地方局の番組は、キー局のネット番組に頼っています。
東京発信の番組のほとんどが、音声が劣化しているといっても過言ではないと思います。


参考までに・・・
耳には聞こえない音(超音波など)は、脊髄に直接振動をもたらすなどと言われていますが、
デジタル化し、周波数分離が容易になった現在のメディアでは、CUTされてしまう事が多いです。

アナログレコードはCDよりも周波数帯が大きいようで、耳には聞こえない高音域まで出ているので、
温かみのある音などとして、マニアからは定評があります。(LPのスクラッチノイズってのは話は別です。)
そしてCDはLPに比べると、超音波をCUTしていますし、MP3・MDはさらに不可聴音域をCUTしています。

それで、NTTの中継回線だとさらに高音域部分の一部がCUTされてしまうんですね。
ちなみに放送で限った場合、放送局側がどれだけ「超音波」を含んだ音声を送信しても、
東京タワーなどの送信塔から出力する時点で、幾分かの超音波や高音域帯は削られてしまうようです。

まあこの音の問題は、受信機器・送信機器・電波伝播や受信チャンネル・状況で変わるので
一概にはどうとは言えないのが本当のところでしょうね。


しかしながらテレビがデジタル化するのに伴い、番組中継波も2004年をめどにデジカル化し、
電波(マイクロ波)ではなく、光ファイバーを使って全国に送られるようになる事が決まっています。
番組中継回線が光化した時に、地方局の音声は良くなるんじゃないでしょうか?



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