その1
CATV・区域外再送信



遠距離受信を商用目的で行っているCATV
すなわちお金を惜しまず遠距離受信をやっているということです。
そんなCATVの区域外再送信の実情です。
遠距離受信の参考にしてみてください。

再送信に関する諸問題とその考察は「区域外再送信その3」に書きました。




<帯広シティーケーブル> [十勝管内・帯広市]  (TVh 再送信)
受信場所:帯広シティーケーブル本社屋上より、アンテナ3×4スタックで受信 (手稲受信)
受信状態:
少しスノーノイズ〜良好  (季節の変わり目などにフェージングあり)

北海道地区は、九州より広い台地をカバーするために、
NTTの中継回線を使用して全道をカバーしています。
ご存知の通り、回線料金の高さから(高い時間帯で \120,000/h ?)
道央圏以外は深夜放送とステレオ放送が実施されていません。

TVhは財政的な余裕のなさから、道央・道南と上川管内の一部でしか
放送されていませんが、帯広市内からも、かろうじてTVhが受信できるようです。

NTT中継回線が道内の中継手段として整備される前
HBCが手稲波を幕別町で受信して十勝地区に中継していました。

実際の帯広での受信画像は 「CATV区域外送信 その2」にあります。

ちなみに帯広から、むつ市あたりのFM青森なんかが狙えるとか。
現在OCTVは、TVhをエリア内で受信し、専用線で伝送しているようです。



<青森ケーブルテレビ> [青森市]  (TVh・uhb再送信)
受信場所:八甲田山中など3〜4ヶ所から2×2スタックなので受信 (函館局受信)
受信状態:
スノーノイズ〜良好 (長い海上伝播の為、春から夏にかけてなど全く映らなく日もあり)

青森県はフジテレビ系がないため、北部の多くの家で、函館波を受信しています。
大湊線・津軽線沿線は特にそれらが顕著で、地元局を受信できない地域もあるほどです。
竜飛岬のある三厩地区では、FM青森もRABも受信できない代わりに、
AIR-GやFMノース、STVなんかがかなりクリアに受信できていました。

青森市内のホテルに宿泊した時は、チャンネルが「RAB・ATV・TVh・uhb・HTB」で
5系列が映るように設定されており、ABAがセットされていませんでした。
ABAがなかった時と設定が変わっていないようだったので、空chに入れておきましたが、
市内でも函館波を視聴している世帯が多いようです。受信状態は少しゴースト状態。

青森ケーブルテレビは、現在は札幌から光軸線で伝送しているようです。

青森ケーブルテレビの受信画像は 「CATV区域外送信 その2」にあります。
また青森地区の遠距離受信については、プロジェクトDXさんとこが詳しいです。
総務省の税金事業「津軽対岸中継に関する報告書」もどうぞ。




<上越ケーブルテレビ> [上越市]  (TX再送信)
受信場所:新井市内 (タワー波受信)
受信状態:
良好〜スノーノイズ (ゴーストもあり。春〜夏にかけて頻繁に映らなくなる)

直線距離で200km以上はなれた新井市内から、榛名・本白根越えの
山岳回折でタワー波を受信。VHFだからこそなせる業です。
受信状態はさほどよくない。TOKYO-FM・FM群馬の再送信もあり。

ただ新潟県内からテレビ東京が映るというのはポイントが高い。
新潟県内で12chを使っている送信所もありますし、
カラーでCATV配信できるだけの電波を取るのは結構厳しいと思われます。

新井市の西野谷受信センターという所で、唯一受信できるそうです。



<エルシーブイ> [諏訪・辰野地区] (在京民放再送信)
受信場所:富士見町で受信 (タワー波受信)
受信状態:
極めて良好 (夏場にフェージング&ゴーストあり)

諏訪地区のスキー場などは、レストハウスでクロージングベルを映している
テレビがあったりしてびっくりします。富士見では割と良好に受信できますが、
エリアの一部で伝送設備の古い地区があり、画質の悪くなる場合があるようです。

FMはFM yokohama や bay-FMなどを再送信していますが、
諏訪地区や乗鞍岳の畳平などからは、比較的東京のFMはよく聞こえます。


50kwの威力とVHFの山岳回折で、長野市内からでも、
東京VHFは受信できるようで、受信している世帯はあるようです。
長野市内のケーブル局は、某圧力によりTX以外の在京波の再送信を中止。



<伊那ケーブルテレビジョン> [信州・伊那市] (在京民放再送信)
受信場所:高遠町藤沢の山中  (タワー波受信)
受信状態:
少しスノーノイズ〜良好 (夏場にフェージングあり)

伊那谷で唯一受信できる場所からピンポイントで受信しているようです。
フジとテレ朝は、高遠中継局の影響で同一チャンネル混信あり
甲府盆地の飛行機通過によるフラッター障害もあり

この辺が東京タワーの限界だと思われます。
やはり赤石山脈の壁の影響は大きいようですね。
お隣の駒ヶ根市では在京波の再送信はありません。
TOKYO-FMやFM-FUJIの再送信もあり



<飯田ケーブルテレビ> [信州・飯田市] (ANB・TVA再送信)
受信場所:飯田市内とその近郊 (東京・東山タワー波受信)
受信状態:
少しスノーノイズ〜良好

以前は名古屋V局や、フジやテレ東の再送信もやっていたようです。
現在テレ朝を再送信しているのは、ABNがなかった時代の名残でしょうか?

中央高速で恵那山トンネルを抜け、飯田市街へ入ると、TOKYO-FMや
TBSラジオ、文化放送なんかが受信できるようになりますが、在京局は
高台などでなければ、一般家庭レベルでの視聴は困難だと思われます。

在名局の受信も飯田ではそこそこ行われているようですね。
飯田の反対側の上松から南木曽にかけて、SBCラジオも
FM長野も受信できないのに、ナゼかFM三重だけ受信できたりします。
山岳回折など山間部独特の要素も無視できませんね・・・




<出雲・山陰ケーブルビジョン> [出雲地区] (TSC・KSB・ABC・SUN再送信)
受信場所: 出雲ケーブル → 出雲市古志町 (金甲波受信)  岡山波のみ
       マーブルテレビ → 松江市星上山 (金甲波) 嵩山(香住サテ)
受信状態:
スノーノイズ〜良好 (季節により受信状態の変化が出る場合あり)

スノーノイズは出雲ケーブルより、マーブルテレビのほうが少ないです。
ただ、関西波は若干隣接障害があるようですね。

マーブルは岡山波の方が受信状態がいいみたいですが、
SHF伝送なので、濃霧時などに放送が中断するようです。

但馬地区にある香住サテは、標高の高さから、山陰地区の海岸部で
よく受信されているようです。鳥取大の周辺では、CATV+香住アンテナで、
関西+山陰+TSCが映るそうで、意外に羨ましかったりします。

出雲ケーブルテレビの受信画像は 「CATV区域外送信 その2」にあります。
松江地区のテレビ遠距離受信の情報は、The TVさんとこで




<東広島ケーブルメディア> [東広島市] (TSC再送信)
受信場所:東広島市内 野路山 (金甲山波受信)
受信状態:
わりと良好

福山・尾道のCATVでもTSCの再送信があります。TSC笠岡局は、
福山地区でも笠岡より出ないと受信できない為、広島からTSCを遠距離
受信する場合は、対岸か金甲波を狙うらしいです。ただ、東広島市内の
個人レベルのDXで、クリアな画質を得るのは非常に困難とのこと。

尾道や福山では、CATVの歴史が浅いのと、民放4局は確実に映る為、
CATVは割りと普及していないみたいですね。

ちなみにRCCの広報部が、ポケモンなどテレ東の人気番組の取材で
「県内でTSCを再送信すると、RCCテレビの視聴率が下がるため、
非常に迷惑している」とのコメントを出していたみたいです。
広島市内のCATVでのTSC再送信は難しいでしょうね。。。



<下松ケーブルテレビ・シティケーブル周南> [周南地区] (在福民放再送信)
受信場所:周南市内 太華山 (関門局受信)
受信状態:
少しスノーノイズ〜良好 (夏場にフェージング&ゴーストで映らなくなる日あり)

太華山は、天気がよければ九州が見える場所だそうです。
アンテナを西向きに向ける為、指向性は大陸方向になります。
Eスポやトロッポの影響をよく受けるようで、とくにEスポがひどく、
6月などEスポ時期は、頻繁に受信状態に影響を受けるようです。

周南市を中心に展開する共同視聴の分配団体に、メディアリンクという
団体があるのですが、メディアリンクは、新南陽の川崎観音の近くに
受信点を置き、皿倉波を受信しているようです。メディアリンクは、
Eスポ時期で、関門局が受信できなくなった時のみ、受信を
行橋局に切り替えて対応しているようです。ただし行橋局は
普段からあまり受信状態はよくないみたいです。

山口市内などTNC向けのVHFアンテナをよく見ますね。。。
山口ケーブルテレビの受信点も山口市内のようです。

以前、宇部のホテルに泊まった時、見れたチャンネルは、
福岡V局+KRY+TVQ+NHK山口+BS+成人映画で、
TYSやYABの入り込むプリセットポジションがありませんでした。

静岡の熱海のホテルのチャンネルも、すべて県外波でしたが、
宇部も地元局は完全無視ですね。ホテルの屋上から皿倉波を
受信しているようですが、映りは地元局と全く変わりませんでした。

周南や宇部の海岸部などは、地元局と変わりなく映るようですが、
全体的な受信状況は、TVQ≧RKB・TNC>KBC>FBSのようです。



<長崎ケーブルテレビジョン> [長崎市] (在福民放再送信)
受信場所:長崎市の日見峠山腹で受信 (大牟田局受信)
受信状態:
極めて良好  (季節の変わり目などにフェージングあり)

TVQの久留米(九千部)なんかは、佐賀で受信しても春秋にフェージングが
かかるくらい不安定なので、大牟田も似たようなもんかもしれません。

1985年ごろは西山地区の高台より30本のループアンテナをスタックし受信
ここからは、大牟田局のほかに熊本波も受信できるそうです。

おそらく長崎にある放送局の圧力だろうと思われますが、
TVQ以外の再送信は2004年3月で終了になりました。






<光ケーブルで伝送を行っているCATV局>
秋田ケーブルテレビ [秋田市] 盛岡から、IBCを伝送
青森ケーブルテレビ [青森市] 札幌から、TVhとuhbを伝送
高知ケーブルテレビ [高知市] 香川・坂出市・神戸市から光伝送(以前はマイクロ波)
宮崎ケーブルテレビ [宮崎市] エリア内からFBS・KBCを伝送
帯広シティーケーブル [十勝・帯広市] エリア内からTVhを伝送
ZTV [滋賀・彦根市] TVO枚方サテ受信で石山・岩間山から伝送

光ケーブルで、区域外再送信をしている場合、「受信できるから再送信している」という理論ではなく、
受信できる所から引っ張ってきて再送信しているので、法規制等により見れなくなる可能性はあり。




<行政ぐるみでやっているCATV局>

徳島県では行政ぐるみで、大阪と和歌山に受信点を置き光伝送をスタート。



大分県では、別府地区のケーブルテレビが中心となって、
県内ネットワーク(行政が敷設している通信路)を使用し、
日田市内で受信した久留米波を、県内各地のケーブル局に伝送し
再送信している模様。南部じゃ受信は確実無理。

TVQ=TNC(≧別府のEBC)>FBS>KBC>RKBの順に映りが良く
日田のOABとRKBが若干混信している模様だが、全体としては良好。
光伝送によるブロックノイズが僅かにあり、0.5秒くらいの時差もあり

地形的に、実際の日田市内から久留米局を受信するのは難しいので、
浮羽町寄りのポイントで受信していると思われます。

別府ケーブルテレビは別府市鶴見岳(皿倉波受信)にも受信点を
持っているようですが、受信状態は常に良好とはいえないようです。

CATVで福岡波が再送信されるまでは、愛媛波の受信が主流で、
クリアな画像での福岡波受信は非常に困難だったとのこと。
大分市内の一部のCATV局は未だ愛媛局の再送信だけらしい。



以前、飯田ケーブルや、高知ケーブルはTVKの再送信をしていましたが、
これはDirecTVの横浜ベイサイドテレビ再送信だったみたいです。


水口テレビのTVOの再送信が中止されたみたい。何でか理由が気になる・・・





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