第1回
電気製品や電子部品の説明書なんかを見ていると、よくdB(デシベル)って単位を見かけますね。
とくに遠距離受信をする時の必需品「ブースター」には、利得(単位:dB)って言うものが
一つのキーワードのなってきます。ではこのdBって言うのは何なのか簡単に説明します。
ちなみに「利得」って言うのは、どれだけ信号を増幅するかを表しています。
dBって言う単位は、信号の「増幅」や「減衰」の具合を表した単位です。
ようするに、このdBの値を見れば、どれだけ「信号」が増幅するか、又は減衰するかが分ります。
一般に「dB」の計算式は下記のようになります。
PINは、入力信号の電力[w]・POUT は、出力信号の電力[w]を表します。
1mwの信号をブースターに入力した時、1000mwの信号が出力されたとする。
ようするに信号が1000倍になったわけだが、1000は10の3乗なので、
この場合、式に当てはめると「30dB」になり、ブースターは利得30dBであると分かる。
ようするに、電力の場合は単純に考えて、10dBだと10倍。20dbだと100倍。
30dBだと1000倍になるという事である。ちなみにdB値が負になった時・・・
(入力信号電力 > 出力信号電力)になった時は、信号が「減衰」したことになります。
これはあくまで「電力」の増幅の話で、「電圧」や「電流」の話になった場合、
少し式が違って、『利得[dB]=20×log_10 (VOUT/VIN) 』っていう形になります。
(見にくくて御免なさい)
この場合、20dBで10倍、40dBで100倍になります。
電力=電流×電圧なので、係数が20に変わります。
単純に考えると、下記の表のようになります。
[dB] | 電圧・電流[倍] | 電力[倍] |
20 | 10 | 100 |
40 | 100 | 10000 |
60 | 1000 | 1000000 |
80 | 10000 | 100000000 |
100 | 100000 | 10000000000 |
んで、何が言いたいかって言うと、dBの数字は少ししか大きくならなくても、
実際はかなり大きく増幅されるんですね。dBの値が10大きくなるだけで、
ブースターとしてはかなり性能が変わるんです。
15dBのブースターと、30dBのブースターでは、dBの数値と
値段は2倍ですが、性能は100倍くらいになるよ〜って事です。
ブースターを選ぶ時は、是非こんな事を考えて選んでみてください。
ただ実際は、「ブースター」にも限界があって、
ブースターをつければ、ザラついた画面がかなり綺麗になる・・・って
お考えの方もいるようですが、「少しくらいマシになる」程度に考えた方がいいです。
強すぎる場合は、画面に縞(ビート)が入るなどの弊害が起きたりします。
良好受信を目指すとき、強いブースターの取り付けで受信改善を考えるよりは、
アンテナや受信点を改善した方がいいですね。
良好に受信できている場合で、複数のテレビやビデオに分配した時の減衰に対しては
かなりの力を発揮しますが、もともと良好に受信できていない電波に対しては、
たかがしれているって考えた方がいいですよ。。。
ちなみに「電波の強すぎる地域」や「隣接混信対策」用に、「減衰器」って物もあります。
これの場合は、全く逆と考えてくれていいです。20dB減衰なら、
電力の場合は「1/100」、電圧の場合は、「1/10」になります。